行事紹介

平成28年度卒入寮式

平成28年4月3日、板橋学生寮で卒入寮式が執り行われました。今年は、第56期生6名が卒寮し、第60期生として7名が入寮しました。式典では理事長先生や同窓会長からお祝いの言葉をいただきました。祝賀会では、卒寮生が寮での思い出や社会に出てからの抱負を、入寮生がこれからの寮生活や大学生活での抱負を述べ、式は滞りなく終了しました。

理事長先生式辞(要旨)

卒入寮生の皆さん、ご父兄の皆様、本日はおめでとうございます。卒入寮式に当たり、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
まず、卒寮生の野沢君、秤谷君、原田君、星君、前島君、松澤君、卒寮おめでとうございます。こうして皆さんの立派に成長した姿を見ていると、この寮での4年間が皆さんにとって大変充実したものだったと思うのと同時に、この経験が皆さんの一生の財産になるだろうと思っています。また、この寮を卒寮することになって、皆さんが得た素晴らしい財産がもう一つあります。それは、松尾育英会同窓会の会員になったということです。松尾育英会の同窓会は、その数こそ300名足らずと、決して大きな同窓会とは言えませんが、その進路は、官公庁、経済界、教育界、法曹界、マスコミなど、ほぼすべての分野にわたっています。また、松尾國三初代理事長が、松尾育英会は一つの大きな家族のようなものだと言っていたように、その結束力、そして松尾育英会を思ってくださる気持には、たいへん強いものがあります。皆さんが将来、仕事のことで悩み事ができたときには、同窓会の行事に参加して、先輩方に相談すれば、きっと親身になって相談に乗ってくださるはずです。受けた恩は社会に返すというのが松尾育英会の理念ではありますけれども、皆さんがもし、何か松尾育英会に恩返しがしたいと思うのであれば、忙しくて時間を取るのがなかなか大変だとは思いますけれども、同窓会の行事に参加して、後輩たちの相談に乗ってあげてください。それが、松尾育英会の伝統だと思っています。皆さんは、もうすでにこの寮を離れ、それぞれの道を進むと思いますけども、ここにはもう一つの家族がいるということを忘れないでください。
次に、新入寮生の皆さん、入寮おめでとうございます。皆さんは、厳しい競争に勝ち抜き、希望する大学でそれぞれの夢、目標に向かって勉強するチャンスを得ました。最近、奨学金を借りた学生が、卒業後、その返済に大変苦労しているという話をたびたび耳にします。幸い皆さんは、そのような心配を一切することなく、勉強に専念できるという大変恵まれた環境にいます。しかしながら、もっと自由な学生生活を送りたいと、自主退寮したり、あるいは、勉強に身が入らず、留年して退寮処分になった学生がいます。皆さんは決してそのようなことがないように、この寮のルールを守って、しっかり勉強するという、面接のときに私たちと約束したことを忘れずに、この寮での4年間を将来の自分たちの財産とできるよう、有意義な時間を過ごしてください。
最後になりましたが、本日、学生たちのために出席してくださった同窓会の皆さんに心より御礼を申し上げ、私のお祝いの言葉とさせていただきます。おめでとうございました。

祝辞(要旨)

本日は松尾育英会の卒入寮式にお招きいただきまして、ありがとうございます。お喜びを申し上げたいと思います。
まず卒寮生の皆さん、6人中4人が大学院へ行くということで、これからまだまだ勉強をされるようでありますけれども、社会に出たつもりで今後とも勉学に励んでいただきたいと思います。お二人しかいませんが、いよいよ社会人です。社会人になると、責任があります。その責任は十分果たしてもらいたいと思います。この4年間でいい友達、パートナーを得たと思います。社会に出てもパートナーが増えるわけでありますが、そういうパートナーを大切にしてもらいたいと思っています。
次に新入寮生の方々、いよいよ親から離れて暮らすわけですが、十分東京で独り立ちができると思います。皆さん方に期待するのは、大学生は勉強するだけが能ではないと思っております。同級生の友達を得るというのは、社会に出てからも役に立つものであります。また、人それぞれだとは思いますが、いろいろな活動に参加してほしいと思います。勉学の片手間に、いろいろなことに挑戦してもらいたい、それが皆さんの新しい人生を切り開くのではないかと思っております。
卒入寮式に当たりまして、皆様にお喜び、そして激励をお送りしたいと思います。本日は誠におめでとうございました。

歓送迎の言葉(要旨) 

卒寮生の皆さん、御卒寮おめでとうございます。 在寮生の皆さん、御入寮おめでとうございます。
まずは、卒寮生の皆さんへ。56期生であられる皆さんから、入寮して間もない私たちによく話しかけてくださったり、ご飯に誘ってくださったりしたのを今でも鮮明に覚えています。おかげさまで、親元を離れて間もない、緊張していた私達は、すぐに寮に馴染むことができました。また、寮生会において、五十六期生のみなさんからは、松尾学生寮のこれからを真剣に考えての積極的な発言や注意がありました。皆さんのそのような姿勢にいつしか私たちも、松尾学生寮寮生としての名に恥じない行動について考えるようになりました。わたしは苦しい状況に陥った時、この人の言葉をかみしめます。
苦しいこともあるだろう 言いたいこともあるだろう 不満なこともあるだろう 腹の立つこともあるだろう 泣きたいこともあるだろう
これをじっとこらえていくのが男の修行である
軍人山本五十六の言葉です。五十六は漢数字で56と書きます。卒寮生皆さまとのご縁に感謝し送る言葉といたします。56期生のみなさまのご活躍をお祈りいたします。
さて、入寮生の皆さん、改めて御入寮おめでとうございます。入寮生の皆さんは今日から松尾学生寮の一人としてここで生活していくことになります。皆さんはこれからの大学生活に胸を踊らせる一方、わからないことばかりで不安も少なからずあるのではないでしょうか。そのような時は相部屋の先輩を初め、私たちを是非頼ってください。少しは力になれると思います。 私はこの寮で生活していく上で、感謝の気持ちがとても重要であると考えています。私たち寮生は松尾育英会のご厚意によりこの寮で生活できているわけですが、感謝を忘れない限りこの寮に対する「貢献しなければ」という気持ちが生まれるはずです。寮生一人一人が貢献、つまり、助け合いの気持ちがなければ、寮生の自主性が重んじられるこの寮は成り立ちません。皆さんには、自分さえよければよいという恩恵に与るだけの人ではなく、受けた恩を忘れない人になって欲しいと思います。
それでは、明るく楽しい寮生活を共に築いていきましょう。

卒寮生代表謝辞(要旨)

また先程は理事長先生や立川同窓会長より激励の御言葉を、また在寮生の皆さんから心の籠もつた送辞を頂き、卒寮生一同、身の引き締まる思いと感謝の気持ちで一杯であります。誠にありがとうございました。
思い起こせば四年前、私はまだお互いのことをよく知らない仲間と共に、これから始まる新生活への大きな期待とそれと同じくらい大きな不安を抱き、入寮いたしました。あの日から、はや四年、当時在寮していた先輩方が年々順次に卒寮し、私たちの順番となりました。四年間、私は寮生活を通して、寮監先生や寮母さん、他の寮生と数多くの貴重な経験を積ませていただきました。
勉学はもちろんのこと、礼儀作法や社交性等、これから社套へ出る身として必要なことや多くの知識を身につけることができました。その中でも、もつとも貴重に感じるのは大切な友人を作ることが出来たということです。「同じ釜の飯を食べた仲」という言葉通り、様々な価値観を有する者同士が、四年間ひとつ屋根の下に住み、時には喧嘩し時には協力し合い共同生活を全うすることで、表面的な付き合いに止まらず、血より濃いつながりが生まれたと考えております。
私たち卒寮生は、これから個々の違う未来が始まることと存じますが、松尾育英会学生寮で共に過ごした四年間は決して忘れないでしよう。どのような時も松尾育英会から受けたご恩や松尾育英会の理念を忘れずに、チャレンジ精神を持って、今後の人生において出会うであろうすばらしい瞬間を悔いなく過ごせるよう、各々の道を歩んでいく覚悟です。
最後になりましたが、私が無事大学生活を送ってこられたのは、理事長先生方をはじめとして、諸先生方、諸先輩方、事務局の方々、両親、周りの多くの方々の援助のおかげだと感謝しております。卒業後も変わらず、ご指導くださいますよう、すべてのみなさまにこころよりお願い申し上げます。松尾育英会学生寮がこれからもすばらしい歴史を刻んでゆかれますことを祈念して、卒寮生代表の挨拶とさせていただきます。

入寮生代表誓いの言葉(要旨)

窓から見える木々の若葉が芽吹き、万物の始まりを実感させられる季節となりました。今日この佳き日に、我々第六十期育英生に入寮を許可していただくとともに、このような伝統ある入寮式を挙行していだたきますことを大変嬉しく思います。この場をお借りして、改めて感謝を述べさせていただきます。本日より、我々は初代理事長である松尾國三先生が残された教えに基づき、寮生活を送ることになります。それに際しまして、大学生活の間、我々が肝に銘じておくべき誓いを立てたいと思います。
まずは、学業を第一とし、松尾育英会の寮生として恥じぬような成績を収めることです。「学生の本分は学業にあり」このことを常に念頭に置くことはもちろんですが、その先にあるものを見据えて学問を深めて参りたいと思います。では、「その先」には一体何があるのでしょうか。ここで少し、私の印象に残った松尾國三先生のお言葉を紹介させていただきます。「若者よ大きく育ってほしい。大きな夢を抱いてほしい。狭 い視野の利己的な人間になるのではなく、開かれた広い心の持ち主になって、社会の各々の分野で貢献する存在感のある人物になってほしい。」ここに述べられていることが、まさに我々の見据えるべき先であると私は思います。
他者と協力し合いながら、自身のさらなる向上に邁進し、社会のさらなる発展に貢献しようとする精神を培うべく、この松尾育英会での4年間を過ごす所存です。一、松尾育英会が整えてくださる良質な環境の下で勉学に励むこと。一、先輩方や仲間と共にする規律ある寮生活の中で互いに切磋琢磨し、社会人としての協調性を学ぶこと。一、そして、松尾育英会に頂いた御恩を社会に大きく還元できるような人材となること。以上を我々の誓いとします。
最後になりますが、本日ここで述べた初心を片時も忘れず、大学4年間を全力で過ごすことをここに宣言し、入寮生代表の誓いの言葉とさせていただきます。