ご挨拶

理事長挨拶

理事長 松尾國之

公益財団法人松尾育英会は、私の祖父である松尾國三が「この世には、貧しさゆえに大学へ進むことのできない学生がいる。その学生たちを世に送り出す… 大々的なことはとても望めないが、僅かな人数であっても毎年続けていけば、10人は100人、100人は1000人になる。それが私がお世話になった社会への恩返しになる」との思いで創立した育英財団です。

また「社会有為の人材を育てるためには、ただ学費を支給するだけでは意味がない」との考えから、学生寮を建て、そこで学問を学び、人間を磨く「精神道場」と位置づけ、「学費だけでなく、4年間過ごす学生寮での費用を支給しその返済は求めない。そして卒業後の進路は全くの自由である」という稀有な育英財団でもあります。

「このような条件の良すぎる育英会は日本で初めてのケースであり、継続していくのは不可能であるので許可できない」と、当時の文部省からの通達がありましたが、文部政務次官をしておられた故西岡武夫先生のご尽力もあり、1957(昭和32)年に財団法人松尾育英会が発足いたしました。

「継続は力なり」と申しますが、祖父の考えていたとおりに、わずか11人の一期生から始まった松尾育英会が、現在では約300人の人材を世に送り出し、それぞれが官公庁、経済界、法曹界、教育界、マスコミ等、様々な業界の第一線で活躍されておられます。

また「受けた恩は社会に返せ」という松尾育英会の理念をそれぞれの信念に基づき実践されていることは、松尾育英会に関わる私たちの喜びであり、誇りでもあります。

各時期の理事の皆様、寮監・寮母さん、そして松尾育英会同窓会の皆様の力添えを得て、松尾育英会が今日まで存続してこられたことに感謝し、この先、百周年さらにその先を目指し、設立の理念を忘れることなく守りながらも、それぞれの時代に合った運営をして参りたいと思っております。